ユニットバス選びのポイントについてお伝えします。
まず、ユニットバス(システムバス)とは、文字通りお風呂が丸ごと「箱」になっています。ただし、床は床、壁は壁、天井は天井のように、部材にわかれたパネルなどの部材を家の中に入れて、現場で組み合わせて形にします。
交通事故の死亡数より、家の中で「ヒートショック」など、お風呂やトイレなどの室温の差が原因で亡くなる事故の方が多いと言われています。現在のユニットバスには、パネルや浴槽に断熱材が施されているものがありますので、健康面で安心安全の為にもお風呂リフォームは重要です。
1.サイズで選ぶ
タイル貼りのお風呂が多いと思います。浴室の内法寸法を計ると、どの大きさのユニットバスが入るのかがわかります。
ユニット化されたシステムバスのサイズ表示は、10cm単位の数字で表わされ、どこのメーカーのものでも1216・1616・1620・1625などと表現します。
これは浴室の内径の幅・奥行きを略して表したものです。内法120cm×160cmのスペースを1216と表現します。
ユニットバスの主なサイズ
サイズ | 坪 | 浴室内寸 |
1216 |
0.75坪 |
1200mm × 1600mm |
1317 |
0.75坪 |
1300mm × 1700mm |
1616 |
1坪 |
1600mm × 1600mm |
1618 |
1.25坪 |
1600mm × 1800mm |
1620 |
1.25坪 |
1600mm × 2000mm |
1624 |
1.5坪 |
1600mm × 2400mm |
ユニットバスのサイズはミリやセンチでなく、「1坪」や「0.75坪」「1.25坪」「1.5坪」など、坪単位でも現されます。1坪は、畳 約2帖分です。1坪(1616サイズ)が一番ポピュラーな大きさと思います。
サイズを大きくしたい、または、四角ではなく、L型など変形している浴室の場合などは増築や周辺のお部屋の解体などが必要になります。
ココがポイント!
規格サイズだと、もったいないゾーンが出来る場合は、タカラ!

規格のサイズで合わない場合は、タカラ スタンダードの「ぴったりサイズ システムバス」も一考です。
「伸びの美浴室(のびのびよくしつ)」規格サイズを2.5センチ刻みで、広げたり狭めたり、柱や梁の出っ張りに合わせて変形させたり出来ます。サイズを現況の大きさに合わせてセミオーダーできる商品になります。
2.浴槽で選ぶ
■素材
FRP浴槽
ガラス繊維強化プラスチックという材質のことをFRPと呼び、保温性や耐久性に優れているので浴室の壁や浴槽に適した素材と言えます。
衝撃にも強いので、もしシャンプーボトルを落としても簡単に割れることはありません。細かなキズなどは入りやすいです。
人造大理石
FRPよりも多少高価な材質です。様々なデザインの中から選ぶことができ、お掃除のしやすさも魅力です。FRPより硬いので細かなキズがつくのも軽減されます。
また、触れた時の肌触りの良さが人造大理石ならではの特徴です。入浴した際に触れる人造大理石の滑らかな感触は、他の材質では味わうことができません。しかし、メーカーや商品によって質にバラつきが出やすいため、いくつか実物を見比べることが大切です。 また、同じ人造大理石と言われるものでも素材の違いがあり、ポリエステル系はアクリル系より耐久性が若干劣ります。
ホーロー
鉄板の表面にガラス質の焼付コーティングが美しい艶をもつところがホーロー素材の大きな魅力です。以前はガラス質なので角が欠けたりする安価なイメージですが、タカラスタンダード製の高品位ホーロー、中でも「鋳物ホーロー浴槽」などはさすがに高価ですが、とてもなめらかで高級感があります。まるで陶器のような浴槽です。
ステンレス
ステンレスは在来工法のお風呂の浴槽に使われることが多い材質です。 耐久性は高いのですが、水垢がつきやすく決してお掃除がしやすいとはいえないので、近年ではステンレス素材を採用するケースは少なくなりました。色付きのカラーステンレスもありますね。
現在は、FRP製か、人造大理石製の浴槽が主流になっています。スタンダードなクラスでも、浴槽だけ人造大理石にするなど組み合わせが出来ますので、メーカーのショールームを活用して、実際に見て触ってよく説明を聞いて選ばれるのが良いと思います。
■形状

形状にはまず大きく2つ。「フラットタイプ」と、「ベンチタイプ(半身浴)」があります。和風の膝を曲げて入っていた方には、洋風なフラットタイプには少し馴れが必要になるかと思いますが足を伸ばして伸び伸び入れてくつろげます。
ベンチタイプ(半身浴)は、座って半身浴ができる他に、ベンチと反対側に入ってる時にはストッパーの役目もしてくれて、身体の沈み込み防止や立ち上がる時、入る時にも楽です。

他、各社でいろいろなカタチをした浴槽を用意されていますので、こちらもぜひショールームなどで見て触って決められるのが一番です。ショールームによっては服を着たまま座ってみて、実際に体感できるところもあります。
3.メーカーで選ぶ
TOTO
実は、「ユニットバス」を考案した会社です。なので他メーカーでは「ユニットバス」とは言わずに「システムバス」と呼びます。
TOTOユニットバス共通の機能としては、なんと言っても畳くらいの柔らかさと断熱性、乾きやすさに定評のある「ほっカラリ床」です。
浴槽が弓なりになった、クレイドル浴槽は、まるで「ゆりかご」のような浴槽です。
また、水栓・蛇口などの製造メーカーの強みを生かして、水の勢いを保ちながら節水を可能にした「エアインシャワー」などに特徴があります。
他には、浴槽と蓋に断熱構造を取り入れ、高い保温性を実現した「魔法びん浴槽」や、「お掃除ラクラク」という随所にお掃除しやすい工夫もあります。

TOTOの代表作は「サザナ」シリーズになるかと思います。
LIXIL
LIXILは「アライズ」シリーズという長い間、売れ筋上位のヒット商品があります。総合的に、機能やデザイン、価格のバランスが良いのがLIXIL「アライズ」シリーズと思います。

また、LIXILには「スパージュ」というこだわりのハイグレードブランドもあります。


肩からお湯が掛かる「肩湯(アクアフィール)」や、天井からお湯が落ちてくる「打たせ湯(アクアタワー)」ジェットバスの「サイレントジェットα」など、自宅で温泉スパに行ってるような気分になれるかもです?
Panasonic
身体に優しく、女性には特に嬉しい機能が充実しています。「オフローラ」シリーズは、入浴中も美しくなるための時間という考え方に基づいて考案されています。

酸素をたっぷり含んだ小さな泡で肌をしっとりさせ、39℃程のぬるま湯でも身体を温める「酸素美泡湯」、肌に優しい強さの水で汚れをしっかり落とす「エステケアシャワー」などに定評があります。リラックスできるLED照明などの工夫もあります。

酵素美泡湯のイメージ
また、お掃除しやすいように汚れのつきにくい材質を用いた節水シャワーなど、使う人にも環境にも優しいものになっています。女性目線の商品というイメージです。
タカラ スタンダード
タカラのシステムバスは他社との差別化が凄い!です。壁の素材は高品位ホーローですので、なんと磁石がくっつきます。

小物類などを好きな壁に付けられます。強固で清潔なホーローの壁・天井で出来たシステムバスは他社にはありません。(未確認ですが、TOTOの壁も磁石がくっつくようですが、どの程度なのかわかりません。)タカラでは磁石でくっつく小物フックなど多数用意されています。お掃除小物や洗面器の収納、シャンプー・リンスのフックなど便利です。
ココがポイント! タカラ「耐震システムバス」・・・地震に自信あります!

他社のユニットバスは、数本のボルト脚で支えています。

その点、タカラはフレーム架台で、耐震性に優れています。新潟の大きな地震の時に「タカラのお風呂だけは傾かなかった!」という都市伝説みたいな話もあります。
トクラス(旧・ヤマハ)・クリナップ・ハウステック(日立)・ノーリツ
トクラス(旧・ヤマハ)
さすがYAMAHAと言う「うつくし浴槽」人造大理石浴槽は、高級感と耐性を兼備しており、ショールームで見て一目惚れしてしまう方がいるほど、スマートな質感と美しさのある最上級のデザイン性を誇ります。
クリナップ
手摺りや浴槽を跨ぎやすくなっていたり、高齢者なども安心のユニバーサルデザインに長けています。また、床にお湯が噴出する「床夏シャワー」もヒートショック予防につながる機能。脱衣所にある操作パネルのスイッチを押すだけで、入浴前の1分間に床の温度を25℃まで温めます。
ハウステック(日立 系)
トータルバランスが良く、欲しいと思う機能や性能が、そつなく含まれていて価格もお買い得感があります。派手さはありませんが、日立系の信頼性を感じられます。
ノーリツ
給湯器のメーカーの強みを生かして、給湯器と浴槽の組み合わせの妙で自動で洗浄してくれる「お掃除浴槽」が最大の特徴です。また、デザイン面でも「アート」な壁デザインを豊富に用意されていて、とても個性的です。
まとめ
1.サイズで選ぶ
自分の家に収まる大きさを確認。1616サイズ(1坪=畳2枚分)が主流ですが、小さいサイズ、もっと大きなサイズもあります。特殊な大きさのお風呂場でもセミオーダーでぴったりサイズにできるメーカーもあります。
2.浴槽で選ぶ
浴槽の素材や、形状は各社で違いがあります。同じ「人造大理石」でもアクリル系とポリエステル系があります。アクリル系の方が良いとされています。
3.メーカーで選ぶ
各社の特徴を確認して、候補を選んだらショールームに行くことをオススメします。無料で実物を見て触って体感でき、その場で自分で選んだプランを作ってもらえます。
冷たく危険なお風呂から、暖かなユニットバスお風呂に交換しましょう。工事期間は6日間程度で可能です。狭いからとか、古いからとか諦めずに、ぜひご相談ください。